Synamon’s Engineer blog

Synamonは「XRが当たり前の世界をつくる」ことをミッションに、未来づくりに挑戦しているXRスタートアップです。 そのため、toB領域をメインに、未来への取り組みや事業づくりにチャレンジしている企業様への支援や、XR・エンタープライズメタバース活用のユースケースづくり、継続的に使われるための仕組みづくりに取り組んでいます。 このブログでは、XR・メタバース技術とその周辺の技術、開発全般に関してエンジニアがお話しします。

PMBOK 7th 勉強会 第3回【Section3: プロジェクトマネジメント原則】前半

エンジニアの岡村です。PMBOK 7thの勉強会も第三章に突入しました。

今回読む3章は、前後半に分かれているPMBOK 7thの、前半の最終章です。その規模は前2章と比べて倍はあるため、今回は前後編に分け、前編をお届けします。

  • The Standard for Project Management
    • Introduction
    • System for Value Delivery
    • Project Management Principles <- 今回やるところ
  • A Guide to the Project Management Body of Knowledge
    • Project Performance Domains
    • Tailoring
    • Models, Methods, and Artifacts

PMBOKとは

PMBOK(Project Management Body of Knowledge)とは、PMI(Project Management Institute)が出版している、プロジェクトマネジメントに関するノウハウや手法を体系化してまとめた本です。

1996年の初版出版以来、4年に1度くらいの頻度で改訂が繰り返されており、2021年8月に第7版(英語)が出版されました。

Section3: プロジェクトマネジメント原則

PMBOKのSection3では、プロジェクトマネジメントにおける12の原則を一つづつ定義しています。それらは4つの価値観に基づいて作られています。

  • Responsbility(責任)
  • Respect(尊敬)
  • Fairness(公正)
  • Honesty(誠実)

以下に12の原則を簡単に紹介していきます。これらの原則は、プロジェクトに関わる色々な立場の人々の行動の指針となることを目的としています。

1/12 勤勉さ、敬意、思いやりをもって務める

社内外のガイドラインを遵守し、誠実さ、配慮、信頼性をもって責任ある行動を取ることが求められます。また、プロジェクトの財務的、社会的、環境的な影響に対して責任を持つ必要があります。

この章ではStewardshipについて説明しています、Stewardshipは、「管理」や「責任」といった訳が当てられることが多いようです。

また、Stewardshipには組織内におけるものと、組織外におけるものの二種類があります。

組織内においてはビジョン、ミッション、バリューに沿って活動する事といった組織全体で大事な事もあれば、指導的立場においての説明責任や権限の適切な運用に対する責任も含まれています。

そして、組織外においてはステークホルダーとの関係を始めとし、自然環境や社会コミュニティ、地域や産業に対する影響に対する責任についても言及されています。

2/12 プロジェクトチームの協力的な環境を作る

プロジェクトチームには様々なスキルや知識、経験を持った人がいます。そして、協力的に共同作業を行うプロジェクトチームは、個人で作業するよりも効果的、効率的に目的を達成することが出来ます。

協力的なチーム環境を作るには、チームの行動規範について予め合意を取っておく事、適切な組織構造を作って継続的に調整する事(これには定例会議の他、役割や責任も含まれます)、WBSやバックログといった形でプロセスを可視化する事が必要です。

プロジェクトチームには様々な事情のメンバーが参加し、多様性が上がるほど纏め上げることは困難になりますが、協力的な環境が出来ることで、情報や個人の知識の自由な交換が促進されます。これにより、メンバー全員がプロジェクトの成果を出す事に集中できる上に、メンバー自身の成長を促進することが出来るようになります。

3/12 ステークホルダーと効果的に連携する

ステークホルダーはプロジェクトの成功と顧客満足に必要な範囲で積極的に巻き込みましょう。

この章ではステークホルダーについて説明しています。ステークホルダーは、ポートフォリオ、プログラム、プロジェクトの意思決定、活動、成果に影響を与える、もしくは影響を受ける可能性がある個人、グループ、組織と紹介されています。

ステークホルダープロジェクトの様々な側面に影響を与えますが、それだけではなく、スコープや要求事項、スケジュール、コスト、チーム、計画、支援、文化、目標、リスク、品質、成功の定義と評価に関与します。

ステークホルダーと積極的にエンゲージメントを行う(関りを持つ)ことが重要です。エンゲージメントには、考えを認識し、他の視点を吸収し、共同で問題解決策を考える事が含まれるほか、頻繁な双方向のコミュニケーションによる強固な関係の構築と維持が含まれます。これには対人スキルが必要となります。

また、プロジェクトに対して好意的でないステークホルダーが居る事もありますが、そのステークホルダーが持つ関心や懸念、権利を理解することで、交渉やサポートによって懸念に対処することができ、結果としてプロジェクトの成功率を引き上げます。

4/12 価値に注力する

ビジネスの目的や意図する利益・価値に対するプロジェクトの整合性を継続的に評価し、必要に応じて調整しましょう。

この章では価値について説明しています。価値とは顧客・エンドユーザー視点における成果を含み、プロジェクトの究極の成功指標であり、推進力となります。価値は金銭的なものを含みますが、それだけではなく、社会的な利益や顧客が感じた利益、プログラムの一部である場合はプログラムに対する貢献が含まれることもあります。

また、価値は主観的なものです。同一の概念でも人や組織によってその価値は変わります。すべてのプロジェクトには様々なステークホルダーが存在し、それぞれの価値も異なります。その為、顧客視点を優先しつつも、ステークホルダー毎に異なる価値を考慮し、全体でのバランスを取る必要があります。

より高い価値を実現する為には、成果物だけではなくその目的に焦点を移す必要があります。例えば成果物がソフトウェアだとして、そこにソフトウェアの使い方のトレーニングやコーチングという別の成果物がセットになることにより、価値を引き上げることが出来ます。このように、プロジェクトチームやステークホルダーは、成果物と、それが持つ目的の両方を理解する必要があります。

5/12 システムの相互作用を認識し、評価し、対応する

プロジェクトを円滑に進めるためには、プロジェクトの内外の状況を認識し、評価し、対応する必要があります。

一般的にシステムとは、相互に依存しあう構成要素の集合体であり、全体として統一された存在として機能するものです。プロジェクトはシステムの特徴を持っています。プロジェクトチームは、プロジェクトを細かな部品からなるシステムとして捉え、全体像を認識する必要があると述べています。

システム思考を進めることで、プロジェクトを取り巻く不確実性やリスクに素早く対応することができ、危機を事前に回避することができます。

ここではシステム思考という言葉が出てきています。システム思考は体系化されており、以下のように専門の本も出版されています。

6/12 リーダーシップを発揮する

プロジェクトには効果的なリーダーシップが求められます。一般的な業務は役割や責任が明確にされていますが、プロジェクトには普段交流のない複数の組織や部門が関わってくることがよくあります。さらに、プロジェクトでは通常の業務よりも大きなリスクとリターンが伴うことがあります。その結果として、プロジェクトに影響を与えようとするマネージャー等ステークホルダーの数が増え、混乱や対立が生じることも少なくありません。その規模にかかわらず円滑に進んでいるプロジェクトでは、一般的なプロジェクトよりも多くの人が頻繁にリーダーシップを発揮しています。

リーダーシップとは、プロジェクト内外の人々に望ましい結果をもたらす為の態度、才能、正確、行動などを指します。これは特定の役割に限定されず、プロジェクトに携わる誰もが発揮することが出来、チームのパフォーマンスを高め、成果を出すことができます。多くの人がプロジェクトに影響を与えようとすると、ふつう対立や混乱が生じますが、パフォーマンスの高いプロジェクトでは、それぞれが補完的にリーダーシップを発揮しています。

リーダーシップは権限と混同してはいけません。権限を利用して人に影響を与えたり、動機づけたり、指示したりすることは出来ます。しかし、共通の目標に向けてグループを動機付け、人々の結束を促し、個人としてではなく、プロジェクトチームとして成功を収めるにはリーダーシップが必要不可欠です。


残り6の原則は後編に回します!

振り返り

3章に入ってから物量が増えてきたのもあって、一段落ずつ皆で読んでいては中々進まなくなってきました。そこで、3章中盤からは内容を事前に読みつつ、見出し毎に担当を割り振って前もって要約してもらい、勉強会では気になった点を話し合う形に変更しました。結果として各メンバーの負担が少し増えるものの、集まった時の話し合いがより深い理解に繋がったと思います。

次回予定

次回はSection3の後半をお届けします!